福島原発の問題を風化させないために＠アトックスによる解説

最終更新日 2024年4月19日 by dolmen

福島原発の問題は直接的な原因は東日本大震災の津波による冷却装置の故障が原因ですが、その裏に隠れた様々な問題は決して風化させてはいけないものです。

1部で言われているように自然災害による大事故であると同時に、様々な災害に対する備えを怠った関係者の認識不足やその後の対応の誤りなども被害を大きくした重大な原因であると考えられるためです。

原子力発電所は開発当初は非常に安全で効率の良いエネルギーであると多くの人が考えていました。

原子力の怖さ

しかしその一方で原子力爆弾は日本に非常に大きな被害をもたらし、さらにその後遺症で現在でも苦しんでいると言う人がいるのは厳然たる事実です。

すなわちしっかりとした準備を行って万全の対策を持って利用すれば安全なエネルギーであると同時に、使い方を誤ると非常に危険で甚大な被害をもたらすものでもあると言う点に関する認識が欠けていたと言わざるを得ません。

福島原発の事故が発生した原因は、東日本大震災で津波が発生し、その津波により発電所の電源装置が故障したために原子炉の冷却が思うようにできない状態となり、高温化した燃料が溶け落ちることで原子炉を突き破って放射能を放出させたことがわかっています。

そのため、津波さえ発生しなければ問題なく動作をしていたと考える人も多いのですが、逆に津波が発生し電源装置が故障したからこそ、福島原発の欠陥である電源装置の脆さを露呈したとでも良い状況となっているのです。

原子炉は燃料が高温化してしまうと放射能を放出することが明白な事実です。

そのため、その燃料が溶けないように冷却水で冷却をすると言う仕組みとなっていますが、その場合には冷却水の温度が上昇したり、あるいは高温化して蒸発してしまった場合にはその効果がなくなってしまうため、絶対に冷却水を失う事はあってはなりません。

そして冷却水を絶対に失わないようにするためには、常に電力を利用して冷却をすることが非常に重要なポイントとなるのです。

そのため冷却を続けるためには電源を停止してはならず、電源を停止させないためには様々な環境下に耐えうる構造を予測しなければならないと言う結論になります。

そのため今回の津波が発生したことによる電源装置の停止は、考え方を変えれば事前に予測できた内容と考えられる面もあるのです。

今回の津波はこれまでに類を見ない想定外の大きなものであったと言うのが一般的です。

しかし様々な地域では過去に津波が発生した際に非常に高い場所で被害にあったことから、その危険度を様々な記録に残していると言う例も少なくありません。

そのような情報が残されていたのに、実際にはこの情報を無視して様々な安直な想定を行ったと考えられる面も大きく、この点に関しては十分に襟を正して再考する必要があると思われます。

さらに近年様々な場所で問題となっているのが、福島原発で被害に遭った地域の様々な風評です。

放射能が拡散したことにより農作物や土壌が汚染され、その数値が高くなったことから人体に対する影響を懸念して様々な措置が取られました。

しかしこの措置の中にはほとんど数値上安全性が確認されたものに関しても、いまだに様々な措置が解除されない状況が続いているケースが少なくありません。

特に諸外国の中には福島地区を中心とする東北地区の農産物やその他の製品を一切受け付けずに排除すると言う施策をとっている国も多く、その問題もしっかりと取り組む必要があります。

さらに、当時の対応には様々な問題が発覚していることも多いのですが、この教訓を十分に生かせずにまた新たな原子力発電所を建設しようとしたり、安全性に疑問がある面を隠して建設を行おうとする方向性が見え隠れするのも非常に懸念するところです。

使い方を間違えなければ非常に効率的で安全性の高いエネルギーである原子力ですが、その扱い方を誤ってしまったために福島原発は今回のような大事故を引き起こしてしまったと言うこともできるのです。

この点は十分に意識をしなければならないと共に、この問題に対する答えを早急に導き確立させることが非常に重要な要素と考えられます。

原子力発電所の事故ではロシアのチェルノブイリが非常に大きな悲惨な事故を過去に発生させています。

その影響は非常に大きく、現在でも汚染され立ち入ることができない地域も存在しているのですが、今回の福島の場合にはそれでも様々な対応が早かったこともありチェルノブイリほどの大きな被害とはなっていないと言う現実があります。

そのため関係者の中にはそれほど危機感を感じていないと考えられる面が見えることも多いのですが、これはあくまでも偶然であり本来このような状況であればチェルノブイリ以上の被害を生み出してしまっていた可能性もあるのです。

原子力発電所は今後どのようにするべきなのかを早急に議論しその答えを明確な根拠をもって示すとともに、福島原発のような悲惨な事故を二度と引き起こさないためにはどのような対策が必要なのかを広く提示することが重要と考えられます。