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事業売却とは?メリット・デメリットを分かりやすく解説

最終更新日 2024年4月19日 by dolmen

「事業売却(譲渡)とは何か詳しく知りたい」
「事業譲渡と株式譲渡の違いを知りたい」
「事業売却に詳しい光本勇介さんの評判が気になる」

M&Aには様々な手法がありますが、M&Aを代表する手法のひとつが事業売却です。
事業譲渡とも呼ばれますが、ここでは事業売却の概要、メリット・デメリットを解説していきます。

【参考】光本 勇介先生 (株式会社バンク 代表取締役兼CEO)
何を学べば光本勇介さんのようになれるのか

https://dolmencc.com/business-sale.html

事業売却とは

事業売却とは、会社や組織として行っている事業の一部、もしくは全てを第三者に譲渡することを指します。
株式譲渡や会社分割などと並んで代表的なM&Aの手法で、事業の全てを売却する全部売却と一部を売却する一部売却がありますが、どちらも事業売却もしくは事業譲渡と呼ぶのが一般的です。
また、事業売却における「事業」とは、広い意味での財産となります。
具体的には、建物・設備・機械・在庫などの有形資産、知的財産や特許などの無形資産、事業組織、債務、人材、ノウハウ、取引先などが含まれます。
また、売り手側・買い手側とも譲渡・承継する事業が選択できるのも特徴のひとつで、M&Aの中でも自由度は比較的高いです。

事業譲渡と株式譲渡の違い

なお、事業譲渡は株式譲渡や会社分割と混同されがちですが、株式譲渡とは「誰が何を譲渡するのか」という点に違いがあります。
事業譲渡は、資産の売買という意味合いが強く、会社や組織が保有する事業の一部または全てを譲渡します。
これに対し、株式譲渡は保有する株式を第三者に譲渡するというもので、会社の経営権を移転するという意味合いが強い手法です。
また、会社分割とは、会社法で定められている組織再編行為に該当するか否かという点に違いがあります。
組織再編行為とは、会社の組織や形態を変更する行為のことです。
事業譲渡は、売買契約の一種なので組織再編行為には該当しません。
一方で、会社分割は組織再編行為に該当するため、財務や税務の手続きが煩雑になりやすいという側面があります。
加えて、会社分割を行うためには、3分の2以上の株主から同意を得なければなりません。

売り手側のメリット

事業の一部のみを譲渡できる

以上が事業譲渡の概要となりますが、この手法は売り手側・買い手側の双方にメリットをもたらします。
売り手側のメリットとしては、まず事業の一部のみを譲渡できることが挙げられます。
事業譲渡では、会社を存続させたまま事業の一部を選択して売却することが可能です。
そのため、不採算事業のみを切り離す、経営再建を図るための資金を得るといった目的で利用できます。

確保しておきたい資産や従業員を残せる

確保しておきたい資産や従業員を残せるのもメリットのひとつです。
事業譲渡では、売り手と買い手が話し合って譲渡する事業の範囲を決定し、それをもとに譲渡契約書を作成します。
そのため、買い手側との合意ができれば、特定の資産や従業員を残しておくことが可能です。
株式譲渡や合併では会社を丸ごと譲渡するので、確保しておきたい資産や従業員が残せるのは事業譲渡ならではのメリットと言えます。

買い手側のメリット

自社に必要ない事業を承継せずに済む

また、買い手側のメリットとしてまず挙げられるのは、自社に必要ない事業を承継せずに済むことです。
株式譲渡や合併といった手法の場合、買い手側にとっては必要な事業だけでなく、不要な資産や負債なども承継してしまう恐れがあります。
しかし、事業譲渡であれば必要な事業のみ承継できるので、最小限のリスクで成長を目指していけます。

節税効果が期待できる

節税効果が期待できるのも買い手側にとって魅力のひとつです。
事業譲渡を行った場合、のれん相当額を5年間償却の損金扱いで計上できるので、法人税の節約につなげることができます。
さらに、時間や手間を抑えつつ新規事業を立ち上げられるというメリットもあります。
通常、新規事業を立ち上げて、ある程度まで成長するには時間も手間もかかるのが一般的です。
しかし、既にある程度の軌道に乗っている事業を買い取れば、時間と手間を抑えつつ新規事業に取り組むことができます。

事業譲渡のデメリット

売却益に対して税金が発生する

このように事業譲渡には様々なメリットがありますが、この手法にはデメリットもあるので注意が必要です。
まず売り手側のデメリットとしては、売却益に対して税金が発生することが挙げられます。
事業譲渡では、売却益を得られるというメリットがありますが、その売却益には法人税が課されます。
特に、売却する事業の規模が大きくなるほど、多額の税金が発生するので注意が必要です。

コストと手間がかかる

また、事業譲渡を行う場合、これまで締結していた取引先や従業員との契約を再び個別に結び直す必要があるため、コストと手間がかかります。
加えて、売却した事業と同一の事業を20年間にわたって、同一の市町村の区域内および隣接する市町村の区域内で行えないという制限がかかるというデメリットもあるので注意しましょう。

許認可を新たに取得しなければならない

一方の買い手側のデメリットとしては、まず許認可を新たに取得しなければならないことが挙げられます。
例えば、運送業や建設業といった許認可が必要な事業を買い取った場合、新たに行政上の手続きが必要になります。
また、買い取った事業に従事していた従業員をそのまま雇用する場合や、取引先との関係を継続する場合は、それぞれ契約を結び直さなければなりません。
さらに、事業譲渡の際は各種移転手続きも必要になるので、手間も時間もかかるというデメリットがあります。

まとめ

このように、メリットだけでなくデメリットもあるので、売り手側も買い手側も事業譲渡は慎重に検討を進めることが大切です。